またルーティン・インスペクション(”routine inspection”、定期視察)の時期がやってきてしまいました。
今住んでいるアパートに引っ越ししてから、初めてのインスペクションです。
「7日後の×月×日にルーティン・インスペクションに伺います。」と不動産業者からメールが来て、「あれ、そんな間際に連絡が来るものだったっけ?」と焦りました。ところが、しばらくして「インスペクションは一か月後の×月×日に変更になります。」との連絡が来たので、先に受け取ったメールは間違いだったのねと納得がいきました。
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州のウェブサイトによれば、不動産業者やオーナーの賃貸住宅立ち入りは7日前までの通知が義務付けられているとありますが、居住者が余裕をもって掃除などの準備ができるように、二週間から一か月ほど前に通知されるのが一般的だからです。
ルーティン・インスペクションは、賃貸契約前に物件に出向いて、現状を理解し、賃貸契約に申し込みするかどうか決めるためのインスペクションとは異なります。ルーティン・インスペクションの目的は、修繕の必要な部分はないか、契約にそって物件が使用されているか(例えば、ペット禁止なのにペットが飼われていないか)、などを不動産業者や賃貸物件のオーナーがチェックすることにあります。
当日、家を不在にしなければならない場合でも、不動産業者やオーナーが合鍵を使って物件に立ち入り、状態を確認します。これまでに住んだ賃貸住宅では、半年に一回のルーティン・インスペクションが常でした。
過去に一度、インスペクションの通知がなぜかきちんと私のもとに届いておらず、不在中、知らない間に不動産業者のチェックが入っており、部屋が散らかっている、洗い物がそのままキッチンの流しに放置されていた、などと指摘を受けたことがありました。結局その時は、インスペクションのやり直しとなってしまいました。
住宅の状態に問題がなければ特別な準備はしなくてもよい感がありますが、賃貸物件の状態の視察を受ける身なので、オーナーに対する印象が良いように、室内を見栄え良くきれいにしておく必要があるのです。
今回は不動産業者と共にオーナーも立ち会うとのことで、少し緊張しました。これまでに何度もルーティン・インスペクションを経験してきましたが、オーナーにお会いするのは初めてです。今は賃貸物件の需要過多で賃貸物件のオーナーの立場が強い時期なので、最大限に良い印象を残しておきたいものです。良好な関係を築いておけば、今後、修理依頼や契約延長などの際に、スムーズに事が運ぶかもしれないからです。
しかし、引っ越ししてまだ半年しか経っていないのと、リノベーション直後のきれいな物件ということで普段から掃除をこまめにやっているので、気合を入れて掃除をしなければならない箇所は下記の3か所だけでした。
浴室
シャワールームが床から天井までガラス張りなのですが、1か月ほどするとガラスが曇ってきてしまいます。水垢で曇ったガラスをたびたび、ガラス・クリーナーをスプレーして布で磨いていたのですが、時間がかかる上に、けっこう力がいります。3面あるガラスのうち、1面の掃除を終えるだけで腕が痛くなってしまいます。
のんきオージー君がシャワー・スター(”Shower Star”)という洗剤を使って、浴室の床とシャワールームのガラスを掃除してくれました。こちらの洗剤は水で薄めて使います。
一般的なスーパーマーケットでは売っていない薬品なので、掃除用具等を扱っている専門店で購入してきたそうです。
ガラスのしつこい水垢の曇りも、薄めたこちらの液体を浸したスポンジで軽くこすれば、簡単に落ちます!
バルコニー
アパートを取り囲むように木々が立っているので、小枝や枯れ落ちた葉っぱがバルコニーにすぐに溜まります。雨が降った後や風が強い日は最悪です。一日たりともきれいな状態を保てないのでやきもきしますが、アパートの周りの木々を切り倒せるわけでもなく。
この問題が発覚してから買い物大好きのんきオージー君が、ブローワー(”Blower”)という、風力でゴミを掃く機械を買ってきました。ガーデナーや掃除業者が背中に背負うような大型のものを使っている光景をよく目にしますが、こちらは手持ち式でコンパクト。
バッテリーを別途充電する必要があるのですが、かなり便利です!
ルーティン・インスペクションの前日に、バルコニーの隅に溜まっていた葉っぱも、こちらの道具を使って吹き飛ばしました。
キッチンのシンク
流しが小さいものと通常のサイズのものの2つあるのですが、こまめに掃除をしていても毎日使う場所なので、すぐに汚くなってしまいます。流しの掃除には下記を利用しました。
排水溝にはユニリーバ(”Uniliever”)のドメスト!(”Domestos”、写真左)
パッケージは異なるものの、日本で売られているものと一緒ですね。
キッチンの流しにも利用できると書いてあります。ただ、強力な化学薬品なので、食器類などにかからないように、排水溝部分にだけ液体がかかるよう注意して使っています。
トイレにもたまに利用しています。
シンクには写真右のジフ(”Jif”)を使っています。同じくユニリーバ社製です。日本でもおなじみですね。
こちらも強力なので、手が荒れないように、ゴム手袋をつけて使用しています。
シンクに回しかけ、古いスポンジで軽くこすってから水でゆすぎます。水垢や油などで曇っていた流しのステンレスがピカピカになります。
これらの場所の掃除が終わった後は、しまえるものをクローゼット等にしまって部屋を片付け、当日の朝に使ったばかりの食器を洗う程度で準備は済みました。
ルーティン・インスペクション当日、不動産業者の担当者とオーナーは、時間きっかりにやってきました。引っ越しして最初のインスペクションですし、オーナー立ち会いとあって、通常より細かく見られるのかなとドキドキしていたのですが、予想に反して終始気楽な雰囲気でした。
既に連絡してある修理が必要な箇所を実際に見せて説明した後、不動産業者の方が記録に残すため各部屋の写真を撮っている間、私はオーナーの方とずっと世間話をしていました。
ものの10分ほどでインスペクションは終了しました。「きれいに使ってくれてありがとう!」と別れ際にお礼を言われ、掃除をこまめにしていた甲斐があったなあと思いました。また半年後にルーティン・インスペクションが来るかと思うと面倒くさくはありますが、普段掃除しない箇所を掃除するいい機会でもあります。
とにかく、日頃から物件をきれいに使って、次回のルーティン・インスペクションも楽に準備が済むようにしていきたいなと思っています。