私はシドニー中心部から、車で北に約1時間の、ノーザン・ビーチズ(”Northern Beaches”)という地域に住んでいます。数々のビーチや公園など、自然に恵まれたエリアではあるものの、決して田舎ではありません。
さすがに野生のカンガルーやコアラなどには、シドニー市街から離れないと会えませんが、ノーザン・ビーチズのようなシドニー近郊でも、日本人の目から見てみれば珍しい動物たちに、比較的容易に出会うことができます。
そんな動物たちを、私が実際に撮った写真と共にご紹介します。
以前よくジョギングコースとして訪れていたナラビーン・ラグーン(”Narrabeen Lagoon”)で、たびたび遭遇したトカゲ。
ウォーター・ドラゴン(”Water Dragon”)ですね。
体長1メートルくらい。
サイクリングや散策にうってつけのルートなので、けっこう人通りが多いんですが、「ここは俺のテリトリーやで!」と言わんばかりに、堂々と立ちふさがっていました。
いつも同じスポットで見かけたので、近くに巣があるのかもしれません。
同じくナラビーン・ラグーンで、いつもたむろしているカモたち。
そういえば以前、仕事に行こうと朝、アパートを出た直後に、お母さんカモとひな鳥たちに遭遇しました。
彼らが歩いていたのは、片側3車線の、交通量の多い車道わきの歩道。もしその車道を渡ろうとしたら、かなり高い確率で車に轢かれてしまうところ。
しかも、どんどん街中へと移動していました。
仕事に遅れそうだったので、彼らの行方は見届けられませんでした。あの後、どこにたどり着いたんだろう?
いつも群れているキバタン(コカトゥー“Sulphur-crested cockatoo”)。
多い時には、20~30羽ほど、ビーチ沿いの木のたもとなどで、わちゃわちゃ集まっています。
黄色いトサカがあって愛らしい外見ですが、鳴き声は、ギャー、グワーッと醜いです。
右の写真は、昔住んでいたアパートのベランダの、ある朝の光景。
いまや見かけても、珍しいとも感じなくなった、フクロギツネ(ポッサム“Possum”)。
この写真は、近所ではなく、シドニー中心部にあるハイド・パーク(”Hyde Park”)で撮ったものですが、住宅街にもいます。
ハイド・パークのポッサムは人間に慣れていて、かなり近くまで来ました。
赤ちゃん連れのポッサムは、この時以来、出会えていません。
通勤途中、時々見かけたウサギたち。
警戒心が強くて、なかなか近づけませんでした。
ウサギは、オーストラリアの在来種ではないらしいです。
ブルー・タン(”Blue Tongue”)
スピット・ブリッジ・トゥ・マンリー・ウォーク(”Spit Bridge to Manly Walk”)と呼ばれる、約10キロのウォーキング・コースにて。
ブルー・タンですが、私が昔住んでいた、グラニー・フラット(母屋と同じ敷地内に建てられた、独立した離れのこと)の庭にも住み着いていました。
右はそのブルー・タンを発見した時に、こわごわ撮った写真。頭しか見えなかったので、ヘビかと思いました。
さっそく職場で同僚のオージーに写真を見せて、「これ、何?」と聞いたら、ブルー・タンと教えてくれました。
トキ(アイビス“Ibis”)
ビジネス街でも見かけることがあります。
いつも歩きながら食べ物を探しているので、飛べない鳥かと思っていましたが、飛びました!
体長70センチくらいです。
ワライカワセミ(クッカバラ“Laughing Kookaburra”)
鳴き声に特徴があり、ウハハハ、ウハハハと、笑い声に似た鳴き声が聞こえたら、すぐにワライカワセミが近くにいるとわかります。
かわいい顔をした鳥ですが、子憎たらしいです。
ある日公園で、お昼にハム・サンドウィッチを食べていたら、頭上後方から急下降してきて、私の手元からハムをかっさらっていきました。
今日も、窓の外から彼らの鳴き声が聞こえてきます。
ゴシキセイガイインコ(レインボー・ロリキート“Rainbow Lorikeet”)
いつもつがいで行動しています。
木の実をついばみながらも、ピピピピ、ピピピピと、お互いの居場所を確認しているようでした。
散歩中に、頭上の枝にとまっているところを発見し、写真に収めることができました。
アパートのバルコニーの手すりでさえずっていることもあります。
オーストラリアガマグチヨタカ(タウニー・フロッグマウス”Tawny Frogmouth”)
フクロウのように見えますが、夜鷹の一種だそう。
はじめお尻だけが見えていたので、なんだろうと不思議に思ってしばらく観察していると、茂みから出てきて、きりっと、カメラ目線の写真を撮らせてくれました。
日中は枝に擬態して身を守る習性があるそうで、バルコニーの外の木の枝で、かなり長い間、じっとしていました。
アカビタイムジオウム (リトル・コレラ “Little Corella”)
コカトゥー同様、いつも集団行動しています。
見た目はかわいらしいのですが、うるさいです。鳴き声は、ギャー、メェェーといった感じです。
ブラッシュターキー (“Brush Turkey”)
みんな、ブッシュターキーと呼んでいますね。
最近、アパートの敷地内でよく見かけます。
木にとまっているところは初めて見ました。
公園や住宅街でも、愛らしい姿や、興味深い仕草を見せてくれる、オーストラリアの野生動物たち。
シドニーを訪れることがあったら、小枝の隙間や草むらを覗いてみてください。ひょっとしたら、彼らに会うことができるかもしれません。