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シドニー・マラソン2024に参加してきた

残業と休日労働に追われ、ほとんどトレーニングできていない中、無謀にも10キロ走ってきました。

参加したのは下記の記事にも書いた、シドニー・マラソン(正式名称:”TCS Sydney Marathon“)です。

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シドニー・マラソン2024に申し込んだ! ハーバー・ブリッジの真ん中を堂々と走ることができる、素敵なランニング・イベントです。

このイベントが開催されたのは、北半球のシドニーでは夏が近づきつつある9月15日の日曜日。

私がエントリーしたのは10キロメートルのコースです。

申し込んでおきながら、実は、参加をあきらめようかと思ったんですよね。

冒頭でもふれましたが、6月中旬に新しい勤務先での仕事が始まってからというもの、平日の残業はもちろん、週末も毎週のように働いていて、ろくにトレーニングができていない。

それまでは、週に3,4回ほど5キロ以上、時には10キロ近く走っていたのですが、転職後、走れた回数は片手で数えられる程度。距離も毎回2~3キロほどで、しかも仕事からくる疲労のためスタミナが続かず、時おり歩かないとならない始末です。

そのような過剰残業の未来が待っているとはつゆ知らず、入社前の私はうきうきしながら、シドニー・マラソンに申し込んでしまっていたのです。

シドニー・マラソン参加者はイベント開催日の直前、木曜日から土曜日の間に、シドニーのダーリング・ハーバー(”Darling Harbour”)にある国際コンベンション・センター(”International Convention Centre“、略してICC)へゼッケンを受け取りに行かなければなりません。国際コンベンション・センターとは、展示や会議、イベントなどのスペースを提供している施設です。幕張メッセのようなものですね。

ゼッケンのことをこちらでは、ビブ(”bib”)と呼びます。

ビブには各参加者のエントリー・ナンバーに加えて、フルマラソン、10キロ、4.2キロのミニマラソンの三種類のうちその人が参加するコース、申し込み時に選択した完走予想タイムのグループ、集合場所のゲート番号がわかりやすく印刷されています。

そしてビブの裏面には、イベント開催者が遠隔で登録者情報を読み取れるチップのようなものが貼り付けてあります。このチップを利用して、スタート及びゴールのタイムを記録したり、コースのあちこちでカメラマンが撮った写真に、そのランナーが写っているかを判別したりしているようです。

平日は仕事があり時間的に厳しいので、ビブを取りに行くとすればマラソン前日の土曜日になります。

金曜日の夜まで、どうしようかな~。10キロ走れるかな~。とぶつぶつ悩んでいたのですが、のんきオージー君の、「仕事が始まる前までは走れていたんだから、大丈夫なんじゃない?」の言葉に背中を押されて、完走できなかったら、それはそれでいいか!と参加を決めました。

イベント前日は早めに休みたいですし、会場の混雑も予想されたので、土曜日、朝一番にビブを取りに行くことにしました。

2022年、TCSシドニー・マラソンの前身であるブラックモアズ・シドニー・ランニング・フェスティバル(”Blackmores Sydney Running Festival”)に参加したのですが、その年のビブ受取会場であったタウン・ホール(”Town Hall“)に比べてかなり規模が大きくなっており、駐車場に車を停めた後、会場までどう行くのか道に迷いましたね。見当違いの建物に入ってしまい、そこにいた警備員らしき女性に道のりを教えてもらいました。

会場内を案内に従って歩いていくと、まっさきに、ビブの受け渡し場所にたどり着きました。

前回も感心したのですが、何万何千人ものイベント参加者がいる中、スタッフの女性が瞬時に私のビブを箱から探し出し、渡してくれました。おそらく、1分もかからなかったと思います。

そして、一昨年前は何ももらえなかったのですが、今回はイベント名の入ったタオルと、メッシュのバックをいただくことができました!

タオルの素材は100%リサイクル・ポリエステルです。写真ではわかりにくいですが、薄紫色をしています。ゴールした後に手渡されたメダルと同じ色合いです。

フルマラソンや4.2キロのミニマラソンに参加した人は、何をもらったのでしょう?気になります。

ビブを受け取り先に進むと、今度は何台かのコンピューターが置いてあります。渡されたビブをスキャンするとスクリーンに登録された名前が表示されるので、正しいビブを受け取ったかを確認することができます。

これらの事務作業を済ませると、出口までの経路には、マラソンに関連した展示や、パートナー企業の広告エリア、ジョギング関連のグッズを販売しているブースなどが待っています。

私にはこの日、ビブ受け取りの他に、もう一つ目的がありました。

会場内で、パートナー企業の一つであるアシックス(”ASICS“)のイベント公式商品を購入し、アシックスのアプリに登録すると、その場で、その購入した商品に無料で名前などをプリントしてくれるのです。

おととし、シドニー・マラソンに初めて参加した時も、ビブ受け渡し会場で同様のサービスを受けることができました。

名前を背中の部分にいれてもらったタンクトップは今でもお気に入りで、時々ジョギングの際に着ています。

もともと在庫数が少なかったのか、それとも購入者続出で木曜日と金曜日にあらかた売れてしまったのでしょうか。アシックスのグッズ販売エリアには、あまり商品が残っていませんでした。

どれを買おうかと悩んでいる間にも、人々がどんどん商品を手に取っていきます。急いで自分に合うサイズのランニング・タンクトップを選んで、購入しました。

それから印刷サービスブースを探したのですが、なかなか見当たりません。

あれ、おかしいな~。レジの近くにあるはずなのに、と疑問に思い周囲をさまよっていたら、謎が解けました。

オフィシャルグッズ販売場所の隅に、閑散としたブースがあります。近寄ってよく見てみたら、A4サイズくらいの紙に、「プリントサービスは正午からです。」というような文言が書いてありました。前日までの作業が間に合わなかったのか、ブースの奥にはプリントサービス待ちの衣料がずらっとハンガーにかけてある状況です。

印刷サービスだけのために3時間なんて待てません。

残念でしたが、『24 RUN SYD』とプリントされたオフィシャル商品は購入できたので、名前を入れてもらうのはあきらめることにしました。

出口に向かうまでのルートには、マラソン関係の商品を宣伝・販売しているブースがところ狭しと並んでいます。

ふと立ち寄ったお店で、素敵な商品を紹介してもらいました。自分が普段使っているものとは異なったタイプのウエストベルトです。

勧められるがままに購入。さっそく翌日、使ってみることにしました。

日付は変わって2024年9月15日の日曜日。

ノース・シドニー・オーバル(”North Sydney Oval“)というクリケット場に6時25分に集合とのことだったので、5時に起床しました。ノース・シドニー・オーバルはシドニー中心部からみて北の方角、ハーバー・ブリッジのたもとから1キロほどのところにあります。

ランニング用の服に着替え、バナナを食べて水を一杯飲んでから、薄手の上着を羽織って自宅をでました。足もとはいつも通り、アシックスのゲル・カヤノ(”GEL-KAYANO”)というランニングシューズです。

シドニー・マラソンの当日、参加者はビブを提示することで、近辺のほとんどの公共交通機関をただで利用することができます。

私は都合のいいことに、自宅から一番近いバス停から集合場所まで、バス一本で行くことができました。

バス停で待っていると、私の乗る予定のバスが時刻表通りに姿を現しました。週末の早朝、乗客はまばらです。服装とビブで判断した運転手さんが、「今日のマラソンに参加するんでしょ?」と、無料で乗車させてくれます。

ノース・シドニー・オーバルの目の前でバスが停まり下車すると、大勢の人で賑わっていました。すでに数千人以上いるのではないでしょうか?

2022年の大会では、参加申し込み時に選択した完走予想タイムのグループとは違うグループに紛れ込んでしまっている人たちをたくさん見かけました。

今回はそのような混乱を避けるためか、敷地の各入口でスタッフの方々が、私たちのビブを見てグループを確認し、「あなたはBグループだから、もう少し先に行ったところの入口から入って!」などと入場者を管理していました。

この日は肌寒く、ほとんどの人が長袖の上着を着ていました。私もタンクトップの上に一枚、エクササイズ用の上着を着ていましたが、それでも寒い!

敷地内をうろうろしたり、ストレッチしたりして寒さを紛らわせながら、スタートの時間が来るのを待ちました。

集合場所には十分な数の簡易トイレが設置されており、並んで順番が来るのを待たないとならないものの、数分で使用できました。内部はそこそこきれいに保たれています。

広場の中心には大型のスピーカーが置かれており、スタッフの男性がマイクを通して、「今回初めてシドニー・マラソンに参加する人、手を挙げて!おっ、けっこういるなあ。頑張れよ!」と場を盛り上げたり、「Aグループの人は、もうじきスタートの時間が来るから、ゲートの前の道路に並んで。Bグループ以降の人たちは、まだだよ!ロープの外側で待っていてね。」と指示を出したりしていました。

広場に日が差し込み始め、少し寒さが和らいできた頃、ようやくスタートの時間が訪れました。

私たちの完走予想タイムより速いグループが出発を終えると、私たちのグループの順番が来ました。ぞろぞろと広場を出て、ゲート前の道路に移動します。防寒用として着てきた上着は、集合場所に放置していけば、のちほど寄付される仕組みになっています。道の両脇のガードレールには、脱ぎ捨てられた衣服が山盛りになっていました。

私も上着を脱ぎましたが、レース終了後の帰路、タンクトップ一枚では寒いのではないかと思い、少し邪魔ではあったのですが腰に巻いて走ることにしました。

ピストルでの合図があるわけでもなく、じわ~っとした感じでスタートします。どこがスタート地点なのかわからず、このあたりかな?と勘でスマートウォッチのランニングアプリをスタートさせたのですが、早すぎました。コース上、ランナーの目安になるように1キロごとにサインが出ているのですが、スマートウォッチとずれまくります。いつもスマートウォッチでペースを確認しながら走るので、時間配分がすごくやりづらい!

一昨年前に比べて体が重く感じられましたが、走り出してみると意外といけます。そして、ありがたく思ったのは、今年は行く手を阻むかのように横一列になってゆっくり走っているグループや、立ち止まって写真を撮ったりしている人たちに出会わなかったこと!

このページ上部の写真は、私が走りながら撮ったものです。

コース自体もおととしより改良されていたように感じました。

おととしは、ハーバー・ブリッジを通過した後、シドニー中心部の、普段は交通量の多い車道を走ることになっていました。

ほとんどのルートがビジネス街の、ビルに囲まれたエリアだったので風景があまりよろしくなかったのですが、今回はダーリング・ハーバーやサーキュラー・キー(”Circular Quay“)などの海岸線を走るので、海や公園などの景色を楽しむことができます。

ところどころ道が狭い地点もありましたが、一貫して快適に走ることができました。来年も、同じルートだといいなあと思っています。

シドニーのランニング・イベントでは、毎回のように、コスプレをしたランナーを見かけます。

この日、スタート地点ではみんなが出発の合図を待つ間、ダースベイダーがゆったりと道路わきを歩いていました。プラスチック製だとは思うのですが、走るにしてはそうとう重そうなヘルメットと鎧を身に着けています。はたして彼(彼女?)は完走できたのでしょうか?

また、ダーリング・ハーバーからサーキュラー・キーに抜ける地点では、パイナップルのかっこうをした女の子を追い越すことになりました。

頭に緑色のフエルトのような生地で作られた、パイナップルの葉っぱを模した冠を被り、丸い、パイナップルの実の部分をあしらった衣装で体を覆っています。

軽そうな仮装だけど、普通のランニング用の服装に比べたら、やっぱり走りづらいんだろうな~。

なぜ、パイナップルなんだろう?

彼女は一人でそのかっこうで走ることにしたのか、それとも仲間とはぐれたのか?

会社の都合でプロモーションさせられているのかな?

などといろいろな疑問が頭に浮かんでは消えていく中、彼女の横を走り抜けました。

終盤、ちょっとした登坂が数か所あって、一度だけ歩いてしまいましたが、レース参加前の心配をよそに、無事にゴールできました!そして、タイムはおととしより一分半ほど短くなっていました!

ルートが変更されたのがよかったのか、それとも、道を阻まれることなくペースを保ちながら走れたことが功を奏したのか。理由はよくわかりませんが、とにかく、運動不足で完走さえも自信がなかったので、すごく嬉しいです。

ゴール地点は、非常に混みあっていました。ゴールの数メートル手前から渋滞が起きており、走りながらゲートをくぐることは不可能です。

仕方なく、隣で同じ10キロのコースを完走した女性と話しながら、ゆっくり、のろのろとコースにそって歩いていきました。

彼女曰く、参加者数は年々増えているそうです。後日、イベントの公式サイトで確認してみたところ、今年は102か国から、3万8千人ほどが参加と書かれていました。

しばらくディズニーランドのアトラクション待ちのペースでゆっくりと進んだ後、ようやく混雑が緩和されてきました。

ボランティアの人がメダルを手渡してくれます。

今年もらったメダルは、写真左側のものです。右側に写っている2022年のものと比べると、一回り小さいです。

その女性と一緒にメダルを手にした写真を撮り、もう少し会話を交わしたのち、元気でね!とさよならしました。

どの道のりで帰ろう?とゴールのロイヤル・ボタニック・ガーデン(”Royal Botanic Garden“)内をもう少し先、オペラ・ハウス(”Opera House“)の方向に向かって歩いていると、開けた場所に出ました。あちこちにシドニー・マラソンのパートナー企業のブースが見えます。

周りの人たちの様子を伺ってみると、これらの企業がプロモーション商品を無料で配布しているようです。

10キロ完走の疲れも忘れて、並びまくりました。

ボトル入りの水や、飲むヨーグルト、ナッツ・バー、インスタントコーヒーなどが配られています。

左の写真はその中の一部、フットケア・ブランドのショール(”Scholl”)からもらったフットケア製品の数々です。

一通りブースをまわって満足したので、収穫品の入ったバックを片手に、ウィンヤード(”Wynyard“)のバス停を目指しました。ロイヤル・ボタニック・ガーデンからウィンヤードまでは15分ほど歩かないとなりませんが、ウィンヤードからは地元まで直通のバスが出ているため、自宅に帰るにはこの方法が一番早いのです。

しかし、ウィンヤードのバス停に着いた時、あれ、なにか様子がおかしい?と気づきました。

ウィンヤードはシドニーの各方面のバスの発着拠点となっているため、通常は週末でもたくさんバスが停まっているのですが、この日、バスは一台も見当たらず、人の数もまばらです。

イベントの道案内役らしき男女がいたので話しかけてみると、ハーバー・ブリッジは今日のマラソンのためにまだ車の通行が停められていて、バスは動いていないと言います。

ショック!

う回路として、まず電車に乗ってハーバー・ブリッジの北側に出て、それからバスに乗るように言われました。

ロイヤル・ボタニック・ガーデンから徒歩数分の、サーキュラー・キーからフェリーに乗って、それからバスという経路をとっていたら、15分も歩かずに済んだ上に、もっと早く家に帰れていたかもしれない…、とかなりへこみましたが、後悔していても仕方ないので、アドバイス通り、電車とバスを乗り継いで帰りました。

家に着いた頃には、かなりへとへとでした。皆さんも、もし今後シドニー・マラソンに参加されることがあるようでしたら、イベント後の帰宅方法を事前に確認してから行くことをお勧めします。

ちなみに帰り道は、やはり寒かったです。上着を捨てずに持っていてよかったと思いました。

2025年のシドニー・マラソンの概要がすでに発表されているようです。イベントのウェブサイトによると、開催日は2025年8月31日だそうです。

来年は、ハーフ・マラソン、いけるかなあ。

その頃には仕事も落ち着いて、準備万端で参加出来たらいいなと思っています。

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シドニーマラソン2025公式サイト オーストラリア・シドニーで開催されるシドニーマラソンの公式日本語サイト。2025年8月31日(日)開催。エントリー方法や料金、各コースの特徴、日本からの参加ツアーの紹...

注意:こちらの記事は、筆者の個人的な体験にもとづいて書かれています。シドニー・マラソンの最新の情報や詳細につきましては、イベントの公式ウェブサイトをご確認ください。

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